肥銀カード株式会社は、決済に関する様々なソリューションを提供し、地域のキャッシュレス化進展をリードする肥後銀行グループの会社です。主にクレジットカード・くまモンのICカードの取扱業務と住宅ローンやマイカーローンなどの信用保証業務を主として担っています。今回は、当社が取組む、キャッシュレス推進で地域DX推進への取組みについてご紹介いたします。

　2015年4月、バス会社への決済支援として、バスの定期券、バス運賃のキャッシュレス化を進展させることを目的に、バス・電気鉄道各社と共同して、熊本地域振興ICカード「くまモンのICカード」を開発しました。
　リリース以降は、高齢者や学生のツールとして徐々に利用者を拡大させていきました。利便性追求のため、交通利用だけでなく日常でも利用できるよう商業加盟店を拡大させており、現在は3,300店舗に設置している状況です。熊本の地域振興カードとして一層の普及を図り、資金を地域内で循環させ、取得したデータを活用することで、持続可能な熊本・地域づくりに貢献します。

　くまモンのICカード利用者の要望で、一番多かった声は「コンビニエンスストアで利用できるようになってほしい」でした。利便性を向上させるため、コンビニ各社へ導入を持ちかけました。そんななか、ローソンが「地域に根差している振興カード」に興味を示され、導入に向けた取組みが始まりました。実現するまでにはコロナによる消費の落ち込みや、決済周りの開発で紆余曲折がありましたが、2023年12月5日についにローソンへの導入に至りました。熊本県内164店舗での決済に加え、各店舗でチャージも可能となったことは、地域のキャッシュレス化、ひいてはDX化が一歩前進したと考えています。
現在は徐々にローソンでも決済金額は増加しており、１回あたり平均して610円がくまモンのICカードで決済されています。

■データを使った地域還元のため施策を検討中
　当社では、キャッシュレス決済から得たデータを地域へ還元するため、施策の検討しています。2021年には補助事業を活用しNTT西日本、熊本県内バス事業者5社と連携してデータを作成しました。決済額のデータではなく、人流と商流を追ったデータを作成し公表しています。

現状は外部でデータを取り扱う業者と研究段階にある状況ですが、下記2つのデータの活用を検討しています。

　2023年5月に、弊社が入るビルの1Ｆにキャッシュレス決済の推進を図るための情報発信拠点「キャッシュレスプラザ」を開設しました。事業者さまのキャッシュレス決済に関するご相談、個人のお客さまのICカードに係るお手続き全般、クレジットカードのご入会申込・WEB入会サポート・諸届受付、ギフトカードの販売を行っております。また、国内外の観光客増加を受け、加盟店の情報もご提供しております。プラザ内にはPOSレジ、決済端末デモ機を常設している他、くまモンのICカードがモチーフの大型看板やくまモンとARで記念撮影ができる設備も揃えています。

キャッシュレスは消費者が一番身近に感じることが出来るDXの一例だと考えています。地域のDX化を推進することで持続可能な地域づくりに貢献できるよう取組んで参ります。