鈴木電設株式会社

中小企業こそデジタル活用で強くなる!デジタル技術を活用した徹底的な生産性向上の取り組み

 鈴木電設株式会社様は熊本市に本社を構えており、主たる事業の太陽光発電システム施工・販売に加え、自社のデジタル化・DX化のノウハウを活用した県内企業のデジタル化の支援も行っています。

 今回は、スプレッドシート等のGoogleビジネスアプリ群やRPAなどのデジタル技術を活用し、徹底的な生産性向上に取り組んでこられた当社の事例をご紹介します。

取り組みの経緯・抱えていた課題について

 建設業の抱える課題の一つに、慢性的な人材不足が挙げられます。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2022年には479万人まで減少してしまいました。さらに、2022年の就業者数のうち55歳以上が約36%を占めており、29歳以下は約12%と、他の産業と比較して高齢化が非常に進んでいます。

 鈴木電設株式会社でも、人材採用において新卒やITリテラシーの高い人材を求めていましたが、若い人材が思うように集まらない状況が続いていました。「ITが使えない、あるいは進んでいない企業に若者、新しい人材は来ない」という考えから、若い人材・IT人材が集まる企業へと変わる必要性を認識したことが、デジタルツールの活用や業務効率化へ取り組むきっかけとなりました。

 また、現場作業が多い建設業特有の課題として、予定管理・共有が挙げられます。予定や工程管理等の情報が職人一人ひとりの頭の中で管理されていたり、事務所内の予定表もホワイトボードで物理的に管理されていたりと、アナログな管理状況は業務効率化を進める上で問題となっていました。

取り組み内容 と 導入効果

iPhone・iPad・Apple Watchの端末支給 
 デジタル化を素早く進めるために、高齢社員にも過度に忖度せず、全社員にiPhone・iPad・Apple Watchを支
 給しました。個人使用を許可し、通信費を会社負担にすることで、「利用してもらう」ということを優先した結
 果、素早い社内浸透が実現しました。今では、「60歳の社員も孫に動画を見せるためiPadを利用しており、操作
 についても熟知している」というほど、社内のITリテラシーは向上しています。
 以前は「急な仕様変更連絡の電話の際に作業中のために気づかない」という問題がありましたが、端末支給後は
 Apple Watch経由で電話に気づくようになり、連絡が取れずに発生した不要な作業工程の削減、コストダウンに
 つながったとのことです。加えて、既利用者の多いLINEを社内の連絡手段として利用することで、情報共有が
 さらにスムーズになりました。

RPAの導入、ロボの作成 
 RPA(※)を導入し、トライアンドエラーを繰り返しながら、多くのロボを作成しました。使えないロボも多数
 ありましたが、多くの試作の中から厳選していくことで、今では業者レベルで使えるロボが出来ており、業務効
 率化につながりました。
 また、ロボの作成には、作成技術はもちろんですが、どのような業務をロボにするかというアイデアが非常に重
 要です。毎月決まった件数を継続的に作成することで、その時々のアイデアを収集しながら、有効なロボが生ま
 れています。

※RPAとは、”Robotic Process Automation” の略語で、パソコンで行っている定型の事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術のことです。パソコン上で人が日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それを高速で正確に実行することで、既存の事務作業を効率化させ、生産性を向上させることができます。

Googleスプレッドシートによる情報共有
 月次予定管理、工程管理、案件管理、会議資料等をすべてスプレッドシートに変えることで、多大な導入効果を得
 ることができました。

成功の秘訣

デジタル技術の導入や業務効率化の成功の秘訣をお聞きしました。

うまくやっている企業をマネする!
 いきなり独自性を出すのは難しいので、進んでいる会社のマネをどんどんやることは大切と考えています。
 ただし、進んでいる企業は大体マネできないほどレベルが高いものも多く、簡単なことからスモールスター
 トで始めることも重要です。

質より量!
 スプレッドシート、RPAロボ等も数多くの試作を作ってきましたが、採用されたものは一握りです。
 数多くのトライアンドエラーで、自ずと質が向上します。どんどんチャレンジし、うまくいかなければ撤退する
 ことを素早くサイクルさせることが重要です。

時代にあわせて、常にチャレンジ!
 建設業界は高齢化が顕著で、5~10年後には、激変していると思います。事業を継続するには常にチャレンジ
 することが重要です。はじめから
 「うちの業界は、ITがつかえんもんね」と言っている社長に一生を預ける若者はいません。若い子にあわせて、
 会社を変えていくことも必要です。
 会社から補助を出して、社員の副業支援も行っています。その結果、社員がスキルを身につけて本業に活かして
 くれるなら、儲けものです。
 また、事業改善に報奨金を出すなど、社員の課題解決に対する意欲が湧くような施策も行いました。今の働き方
 が、100%と思わないことが大事です。

今後の展望

 DX推進体制を整備し、DX担当部署を立ち上げ、あらたな事業として企業のDX推進するサービス「デジトラ」を開始しました。今まで培った自社のデジタル化、DXのノウハウを活用し、業務プロセスの改善、デジタル化、DXのサポートを実施していきます。県内企業のデジタル化を支援することで、地域DXを強力に推進していきたいという思いがあります。

 また、大学生向けに実施しているインターンシップでは、単なる職業体験ではなく、社内で実施している研修に参加してもらい、自社の文化や風土、人材育成の取り組みを体感できる内容になっています。「超成長特化型」という言葉を掲げ、学生の就活を100%応援し、成長や夢へのチャレンジを支援しています。若い子にスキル獲得の支援を行うことで、その結果自社に就職しなくても、地域全体としての人材育成の底上げをできればと考えています。人が “辞めない” “出ていかない” “集まる” 地域を目指しています。

なお、当社のDXへの取組みは、「鈴木電設株式会社DX計画」として公表しています。是非ご覧ください。

会社概要

会社名 鈴木電設株式会社
住所 〒861-4211 熊本県熊本市南区城南町今吉野1295
資本金 5,000,000円
従業員数 23名(2023年8月現在)
設立 2011年5月2日
代表者 代表取締役 鈴木 健太
事業内容 太陽光発電システム施工・販売
太陽光発電保守メンテナンス
オール電化(電気温水器・エコキュート・IHクッキングヒーター)
空調工事(家庭用・業務用)
電気工事
 (LED照明取付け・電気自動車用充電設備設置工事・その他電気工事)
DX支援事業(Googleサービス導入サポート、RPA導入サポート)
採用支援事業

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