熊本県 八代市

“スマートシティやつしろ”の実現に向けた取組について

取り組み概要・背景

 八代市は、九州のほぼ中央に位置し、東西約50km、南北30km、約681㎢の面積を有し、東は九州山地、西に八代海、八代平野があり、製造業(製紙パルプ、機械、化学、食品等)や農業(トマト、い草、晩白柚、生姜等)が盛んな田園工業都市です。
 しかしながら、人口の減少、少子高齢化による地域産業の担い手不足、過去の震災や豪雨災害からの創造的復興など、様々な課題を抱えており、「第2次八代市総合計画 第2期基本計画」では、重点的に取り組む施策などを「第2期八代市まち・ひと・しごと創生総合戦略」として取りまとめました。
 さらに、昨今の社会全体におけるDX化の動き等を踏まえ、デジタル化の推進といった新たな潮流にも対応し、デジタル技術の活用による地域課題の解決、行政サービスの変革等を戦略的に進めるため、「八代市デジタル化推進基本計画」を令和4年2月に策定し、推進しています。

八代市デジタル化推進基本計画における重点取組について

 「八代市デジタル化推進基本計画」では、進化し続ける、将来に渡り持続可能で魅力ある選ばれるまち“スマートシティやつしろ”を目指すまちの姿として掲げ、地域課題の解決を図るためにICT(情報通信技術)をはじめとする先端技術を市民生活のあらゆる面で活用するとともに、これらのデジタル技術を手段とした行政全体のあり方の再構築、組織文化の刷新など、大胆な変革を成し遂げ、新たな価値の創造を進めていきます。
 また「地域課題の解決」「行政サービスの変革」「協働と連携によるデジタル社会の実現」を取組の方向性と定め、特に、以下の4つを短期的・重点的に取り組む必要があるものとして整理しています。

“スマートシティやつしろ”の実現に向けた主な取組について

①市役所窓口のデジタル化、「デジタル市役所」の取組
 新型コロナ対策として、窓口発券機をタッチレス操作で行う「非接触型(空中)ディスプレイ」の導入やスマートフォンやマイナンバーカードを活用したオンライン申請の導入など、書かない、待たない、行かない「デジタル市役所」の取組を推進しています。

②デジタル医療MaaS推進事業(モバイルクリニック)
 中山間地で高齢化が進む坂本町では、令和2年7月豪雨災害により、無医地区同様の状態となり、医療機関受診が住民の負担となっていました。そのため、医療機関受診の負担軽減に向けて、移動診療車を活用したモバイルクリニックやオンライン診療等を実施しました。(令和4年12月28日実証開始)
 今後は、坂本町における医療提供体制の推進が図られるとともに、移動手段の確保が困難な患者の皆様の移動負担を軽減するなどして、一人でも多くの地域住民の方々にモバイルクリニックをご利用いただけるよう、取組みを進めていきます。

③やつしろ道路情報マップ(Ydマップ)
 国・県・市の道路工事等による通行規制情報や、令和2年7月豪雨災害からの復旧状況をリアルタイムでデジタルマップ化した「やつしろ道路情報マップ(Ydマップ)」の運用を開始しました(令和5年4月1日運用開始)。
 これによりパソコンやスマートフォンで道路情報が手軽に入手できるようになりました。

④デジタル人材の育成
 様々な取り組みを行ううえで、デジタル化を推進していくためには、デジタル人材の育成も必要不可欠であると考えています。
 職員それぞれの職務に応じた、デジタルツールの活用スキル、マネジメント能力など、各職階に応じた標準的な知識を習得するため、効率的かつ効果的な研修体系を構築し、DX人材の育成を図っています。

※DX推進員・・・各課かいにおけるデジタル化の中心的役割を担う職員

“スマートシティやつしろ”の実現に向けた今後の主な取組について

①防災プロジェクトの実装化
 令和2年7⽉豪⾬の教訓(避難所運営の効率化・情報共有、避難誘導)から「スマート避難所システム」を令和5年度に構築するとともに、発災時の逃げ遅れを防止するための避難行動を後押しする「デジタル避難スイッチ」の早期の実装化に向けた取組みを進めます。

②データ連携基盤の構築及び活用
熊本県において令和6年度に運用開始予定である、県下共通の「データ連携基盤」を活用し、防災情報や観光情報などの様々なデータを結び付けることで、より利便性の高い行政サービスの提供と効率的なデータ管理の実現を目指し、熊本県と連携して取組みます。

③カーボンニュートラルの早期実現に向けた再エネ導入事業等の実施
「八代市ゼロカーボンシティ宣言」(令和4年2月28日)を踏まえ、令和4年度に策定した再エネ導入目標及び、令和5年度秋までに策定のゼロカーボンやつしろ実⾏計画(仮称)に基づき、市有施設への再エネ設備の導入、公用⾞の電動⾞化等を図るとともに、新八代駅周辺整備等における住宅用太陽光発電設備の普及拡⼤等、官⺠連携のもと、集中的な取組みを⾏います。

④ChatGPT等の生成AIの業務利用に向けたガイドラインの策定
本市における⽣成AI実証実験の結果を分析し、有効な活用策や情報漏洩に対するリスク対応などについての「⽣成AI活用ガイドライン」を策定します。

取り組んだ自治体の概要

自治体名 八代市
所在地 〒866-8601  熊本県八代市松江城町1-25
面積 約681㎢
総人口 121,845名 (令和5年7月31日現在)
職員数 1,098人(令和4年4月1日現在)
市長 中村 博生