株式会社明和不動産
不動産賃貸借契約手続きにおけるDX
株式会社明和不動産様は熊本市に本社を置く不動産仲介企業で、1981年の創業以来長きにわたり熊本県・福岡県・鹿児島県の住まい探しを支援してこられました。
競業他社に先駆けてDXに取り組み、2017年には業界初のペーパレス契約更新サービスを開始、その後も契約業務のデジタル化など、業界をけん引する取組を継続しています。
きっかけはトップの抱いた 「強い危機感」
課題
従来の不動産賃貸借契約のフローには、お客さまの来店時から契約に至るまで、多くの「紙」と「転記作業」
が存在していました。
必然的に従業員の残業や紙の使用量が多くなり、生産性の向上と紙使用削減による環境問題対応が急務となって
いました。
取組に至るまで
明和不動産様のDXの取組は、川口会長が米国不動産業界の視察時に電子署名システム「DocuSign」と出会っ
たことをきっかけにスタートします。
日本の現状とあまりにも違う米国のデジタル上での不動産取引に衝撃を受け、「紙文化の強い不動産業界も変
わっていかなければ未来はない」という強い危機感を抱いた同社は、DocuSignの導入に向け準備を進めました。
完全ペーパーレス化による 業務効率化 と 顧客利便性向上
取組内容
お客さまの問い合わせ~物件ご案内までのSTEP1と、入居申込から鍵受渡しに至るまでのSTEP2に分けて、そ
れぞれツールの導入や業務フローの見直しを図りました。来店時や申込時にタブレットやWEBを利用することで、
お客さまから受領する情報がそのままデジタルデータとなり、その後の業務フローでの転記作業が不要となります。
また、多数の書類記入が必要となっていた契約手続きも、DocuSignの導入によってペーパーレス化と業務効率化
を実現しました。
取組時の工夫
DXの推進に関してはDX後の業務の全体像を明確にした上で、部分的に業務のDX化をスタートしました。まずプロ
ジェクトチームを立ち上げ、現状の業務の整理をすることからスタートしました。プロジェクトチームには入社
2年目の若手社員もアサインする体制で進めました。
開始当初は既存のやり方を変えることに抵抗感を示すスタッフが多く見られ、厳しいスタートとなりましたが、
経営陣のDXに対する意志は強く、当社代表の指示によりDXツールの利用率に応じて臨時ボーナスを支給するなど
の施策を実施。その結果、DXツールの活用が急激に進みました。
具体的な成果
①紙の削減
従来は1契約あたり約20枚の「紙」が必要となっていましたが、完全ペーパレス化を実現しました。
②業務効率化
DXによって契約に要する時間が減少。1契約当たり、約15分の時間短縮を実現し、累計2,500時間の業務削
減・残業減少につながりました。
③お客さまの利便性向上
契約手続きのデジタル化はお客さまにもメリットをもたらします。非対面での契約が実現したことで、複雑な
手続きからの解放、来店回数の削減につながりました。
来たるべきデジタル取引に向けて
同社では、現状の不動産仲介業を前提としたビジネス構造は限界を迎えつつあると認識されています。また、DXの流れに伴う外資系異業種(ディスラプター)の不動産賃貸業への進出、法令関係の電子取引に対する緩和への対応など、今後の不動産業界のデジタル取引活性化は避けられないものとなっています。
そのため、明和不動産様では今後もDXを推進し、よりUX(ユーザーエクスペリエンス)が高く価値ある不動産取引を提供を目指して、不動産業界のリーディング企業でありたいと考えています。
会社概要
会社名 | 株式会社明和不動産 |
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住所 | 〒860-0804 熊本県熊本市中央区辛島町4-35 |
資本金 | 7,160万円 |
従業員数 | 174名 (令和4年12月現在) |
設立 | 1986年4月1日 |
代表者 | 代表取締役CEO 川口圭介 代表取締役COO社長執行役員 川口英之介 |
事業内容 | 不動産の売買、交換、賃貸借及びそれらの仲介業 不動産に関する資産運用コンサルタント業 |