オムロンリレーアンドデバイス株式会社

DXの3つのステップの実行によるデジタル人財の育成と ビジネス醸成 ~自働化ツールを自ら活用し、現場改善のPDCAを劇的に変革させる~

 オムロンリレーアンドデバイス株式会社様は、熊本県山鹿市に本社を置く、リレー(電気のON/OFFを行う電子部品)の総合メーカーです。
 お客様のニーズにマッチしたリレーを製造し、現在も最先端技術で新しいリレーを創り続けており、これまでものづくりで培った現場からの視点で、 OCR、ETL、RPAの3つの業務自動化ツールと育成プログラムがセットになった「pengu (ペング) 」を活用したDX推進に取り組んでこられました。

 今回は、業務自動化、効率化を行うことで大幅な稼働削減につながった取組事例をご紹介いたします。

取組概要

 オムロンリレーアンドデバイス株式会社は、お客様の機器における電気のON/OFFを制御することで、機器における安全性を担保する電子部品「リレー」およびその周辺機器などのデバイスを通じお客様の課題を解決し、新エネルギーや半導体の普及を促進、社会の発展に貢献することを存在価値としています。
 グローバルな通信ネットワークやエレクトロニクス機器の発展、代替エネルギー対策や安全・環境への対応など、社会のニーズに応えるリレーをグローバルに提供することで、豊かな暮らしに貢献しています。今回はオムロンの自律型業務改善サービス「pengu」を導入し、デジタル技術を活用した生産現場の業務自動化・効率化で、生産性と品質向上に取り組み、組織全体にまでデジタル人財育成プログラムとして導入を促進し、「pengu」のビジネス価値向上にも貢献した取組みをご紹介いたします。

取組みの経緯・抱えていた課題について

 オムロンリレーアンドデバイス株式会社では、産業用リレー(形MY)を自動機で生産しています。 
 自動機の設備は、部品パーツの摺動部位が劣化し、性能低下となることが多くあり、稼働ロスをコントロールするのが課題でした。日々保全をする担当者はトラブル対応に追われ、分析に必要なデータ集計をあきらめてカン、コツで保全しており、非効率なPDCAサイクルになっていました。

どのような取組みを行ったか

 今まで自動機の設備稼働率/廃棄ロスをweeklyで手作業で集計していたものを、 「pengu」による自動集計ツールを活用し、稼働ロスをdailyで集計、見える化し、生産ロスの分析を日々できることで、タイムリーにロスを解消することができるようになりました。

※「pengu」は、オムロン株式会社が開発したサービスです。現場でExcelを使用してコピペなど定型業務を実施している方々が自動できるようにノーコードで開発できるスキルを身につけ、業務改善を進めていくことを推進するサービスとして、製造業を中心に計画系や品質管理部門などさまざまな分野に導入されています。

得られた効果について

 年間で240時間の集計作業を削減し、課題改善に取り組む時間を創出し、廃棄ロス30%低減と生産設備稼働率40%向上を実現しました。また、自部門で取組みを進めるだけにとどまらず、組織全体にまでデジタル人財育成プログラムとして導入を促進し、「pengu」のビジネス価値向上にも貢献しました。

実際に取組みを行った感想

 「pengu」を活用することで、社員のITスキル向上を狙い、実際に自分達でできた業務効率事例が自信となり、DXが加速していきました。また、メンバーの「良くしたい」が自分達でできることで「あきらめ」から「できる」といったマインドに変化できたことで組織風土が劇的に変化して設備の状態も良くなっていったと感じています。

今後の課題、もしくは、今後の展望について

 オムロンリレーアンドデバイス株式会社は「あまねく自働化」と題して、高度なデジタル技術を活用し、全ての業務プロセスを可能な限り自働化することで更なる生産性向上に取り組んでいます。自働化が進み全ての業務品質がUPしていくことで、お客様への提供価値の更なる向上を目指し、より良い社会創りに貢献します。

取り組んだ企業の概要

会社名 オムロンリレーアンドデバイス株式会社
本社所在地 〒861-0552 熊本県山鹿市杉1110番地
設立 1971年8月24日
資本金 3億円
代表者 代表取締役社長 牧圭一郎