株式会社マイスティア

RPAを使った求人広告業務の効率化の取組み

 株式会社マイスティア様は、12か所の事業所を持ち、事業内容は製造装置、精密機械の企画開発から製造販売・メンテナンス、AIソフトウェアの研究開発など、多岐に渡ります。また、製造業だけではなく、人材紹介や人材派遣及びキャリアコンサルティングといった人材ビジネス事業も行っており、その応募総数は随時200~300通に及びます。
 今回はその人材ビジネス事業において、RPAを使って業務効率化を実現した取組みをご紹介します。

取り組みの経緯・抱えていた課題について

 当時は、求人募集の管理をパソコンで行っているものの、求人サイトをはじめとした約10社の求人媒体を利用しているため、どの媒体にどの求人を出しているかなど、全件のやり取りをタイムリーに把握することが難しく、最新のリストを作成するだけでも約3日を要していました。また、求人媒体の中でも機能にも違いがあるため、どの媒体から求人申し込み・問い合わせがあったのか、担当は誰なのか、など簡単には整理できない状況でした。

取組概要

 この現状を踏まえ、
 ① 今日現在、どの求人媒体にどの求人が掲載されているか一覧にしてグループウェアで共有する
 ② どの求人媒体から問い合わせ・求人の申し込みがあったのか、自動で担当者に振り分ける
ことを目的に、最新情報のスクレイピング、Web上で共有、期限切れ等の不要情報の削除を行うRPAを採用担当者自らプログラミングを行い、自社で業務運用をスタートさせました。

どのような取り組みを行ったか

 作成したRPAは、1日1回深夜にプログラムが起動し、すべての募集掲載情報から必要な情報のみを抽出。募集担当者ごとに分類され、担当者はパソコン・スマホで確認が可能となっています。これにより、期限切れや募集内容の間違いや比較、問い合わせ履歴等、やり取りを見える化したことで、「無駄な募集広告」・「効果がない募集広告」をリアルタイムで分析することが可能となりました。
 また、求人が発生した際、募集条件に合わせて、どの求人媒体に掲載するかの選定を自動で行い、掲載する募集内容の入力についても、自動で転記することができるようにしました。閲覧者から問い合わせや募集の申し込みがあった際も自動で担当者毎に仕分けられ、メールで通知・申し込み数の集計を行うことが可能になっています。その結果、広告宣伝費を約20%、管理工数人件費を約90%削減することができました。

 同時期には、生産性を上げる事を目的とした、「RPA 研究会」を発足。各事業部の DX 化推進の為、業務の見直し分析、自動化プログラムの作成、運用シミュレーション等のプログラミング勉強会を定期開催しています。問題が発生した時、ステップを細分化し1つずつ検証を行っていく「プログラミング思考」は大変効果的で、プログラミング技術のみならずその考え方も同時に学んでいく内容になっています。こちらは希望者のみの自由参加型になっていますが、事業部の垣根を越えて毎回30人ほどが参加されています。

現在の取り組み

 また、病院と連携し、病院に併設されている介護施設における入居者のQOL向上、介護職員の業務効率化を目的とし、DX推進に向けた実証介護を2023年6月より開始しました。
 具体的には、入居者の24時間のライフログを自動作成することで、居室内(施設内)での活動状況、転倒時の緊急アラートや長時間の自室不在(離設防止)等を介護職員の携帯端末へ通知。また、入居者のプライベート保護を考慮し、画像を残さず骨格画像を表示。介護職員は携帯端末での確認による日常業務の負担軽減とともに、24時間のライフログデータの分析により日常支援の判断が向上します。

 今回の実証介護を繰り返すことで、各居室の管理だけでなく、各階共同スペース(食堂やコミュニケーションルームなど)を含む施設全体の管理、顔認証を利用し、施設内であれば、どこにいても入居者の活動状況が分かる個別電子カルテの自動作成等を早急に確立し、将来的には音による呼吸状態把握(睡眠状態の把握等も含む)も取り入れる計画です。

取り組んだ企業の概要

会社名 株式会社マイスティア
本社所在地 〒861-2202 熊本県上益城郡益城町田原2081-17
設立 1990年11月
資本金 5,000万円
代表者 代表取締役社長 工藤 正也

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