株式会社ライト設計
安心して働き続ける職場環境の整備
取組の経緯・抱えていた課題について
株式会社ライト設計様は、熊本地震の経験や、同業企業の火災をきっかけにペーパーベースの書類や社内サーバーだけのアナログ管理だけでは、もしもの時に事業の継続はできないと感じていました。業種的にも人材不足の現在、より良い人材を確保し、さらには若年層や女性が安心して働き続けることが出来るように「事務作業の効率化」「ワークライフバランスの実現」「テレワーク、時短勤務制度を整備し子育てとの両立」などを目標とし、DX化に取り組むことにしました。
どのような取り組みを行ったか
まずは「どこでも」「だれでも」できる「ペーパーレス化」「業務効率化」を目標としてノーコードのクラウドサービスを使い、情報を集約するために代表2名でアプリ作成を行いました。8割程度の仕上がりで社内リリースをし、実際に使用しながら、スタッフから良い点、悪い点、改善点など意見をもらいながら「作成→使用→改善→作成」のトライアルアンドエラーを繰り返し、さらにはコンサル会社に「+α」をしてもらい完成度の高いアプリに仕上げました。
社内での情報管理や情報共有については、クラウドサービスを活用することで設計・営業・総務の情報を一元管理、情報の見える化を実現しました。進行中のデータ管理については、「Googleドライブ」を主に活用し、ノートPC・iPad・iPhone貸与で社外での作業やテレワーク時のデータ共有をできるようにしました。その他のデータ保存は社内サーバーで行い、クラウド上でもバックアップできるようにしました。
また、社内のコミュニケーションツールとしてチャットツールを使用、案件毎のチャンネルで内容のやり取りが見える化され、情報共有が明確になりました。社外とのやり取りについても複数のチャットツールとメールとを使い分け、利用しています。
設計作業では、「BIM」を活用した設計に取り組んでいます。建物の情報を入力しながら、図面とパースを連動させて作業効率を高め、わかりやすい資料づくりができるようになりました。その他にも、プレゼンを行う際にタブレットを活用しながら説明したり、その場で変更や修正箇所の確認を行ったり、スマートフォンと連動させて協議内容の記録を即座に展開したりと、データでの相互間のやり取り方法が多様化出来るようになりました。また、外注に出す業務を紙で申請し、決裁を取るまでに2~3週間かかっていた社内稟議をアプリを活用し、ルート化したことで、3日で決裁が取れるようになりました。更には自動で業務委託契約書まで作成できるようになり、そのまま電子契約サービスを使って、印紙もいらずWeb上で契約締結できるようになり、大幅な時間短縮につながりました。
営業業務では、クラウドサービスを活用し、案件、入札、契約管理をはじめ、過去の受注物件の見積や費用分析ができるようになりました。
バックオフィスでは、日々のバックオフィス業務のほとんどを別のクラウドサービスに置き換え、さらに、会計システムと銀行口座の連携することで、記帳や、ネットバンキングを確認せずとも、リアルタイムで出入金が確認でき、自動仕分ができるようになり、仕事効率が上がりました。また、勤怠・経費精算・給与システムを連携させたことで、毎月必要な給与計算にかける時間を3分の1に、アプリを活用し、雇用契約書を作成入社手続きにかかる時間を4分の1に削減することができました。
社内DX化に取り組むことで、ペーパーレスを基本としながら、瞬時にデータ共有や展開を行う意識付けが出来ることが最大のメリットだと、株式会社ライト設計様はおっしゃっています。
実際に取り組みを行った社内の声
⑴ DXが推進されているおかげで、社内で業務をおこなっていたときと変わらず、自宅でも業務ができ、改めて働きやすさを実感しています。また、テレワークで通勤時間がなくなり、時間に余裕ができました。(テレワーク勤務を1年2か月つづけている女性社員)
⑵ クラウドサービスを活用することで一元管理、情報の見える化がスムーズに実行できるようになり、社内での情報管理や情報共有がスムーズになりました。
⑶ Googleドライブを主に活用して社外での作業やテレワークなどのデータ共有が容易になりました。
⑷ チャットツールを使うことで、やり取りが見える化され、情報共有が明確になり、コミュニケーションはもちろん、情報共有や仕事の指示が容易になりました。
⑸ BIMを活用した設計に取り組むことで、作業効率が高まりました。(設計部社員)
⑹ 子育て中は子供の体調等で仕事を休まざるを得ない状況が多々あるのですが、当社はテレワーク環境が完備されているため、仕事に穴をあけすぎることなく働くことが出来ています。(子育て中の女性社員)
⑺ 社内外問わず紙を使用したやり取りが減ったことや、アプリの活用やクラウド上で全社の情報が共有出来ていることにより、テレワーク中でもストレスなく業務を遂行することが出来るようになりました。(総務部社員)
⑻ 現在育児短時間勤務中の身としても、一連のDX化は各業務の時間短縮になり、業務の効率化につながっています。(育児短時間勤務中の女性社員)
今後の展望について
建築設計業種や企業規模的に顧客に対してのDX化は難しいところではありますが、県内業種のDX先駆者として社内のDXから顧客サービスへ展開してきたいと考えています。
社内では、技術者の理解を得ながらWeb3.0時代を生き抜いていくためにNFT、メタバース等の活用やコミュニケーションツールの1つとしてVR/AR/MR/可視化や体験などを通し、現実世界と仮想空間を結びつけることにも挑戦してきたいです。
取り組んだ企業の概要
会社名 | 株式会社ライト設計 |
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所在地 | 【本社】〒860-0081 熊本県熊本市中央区京町本丁8番12号 【支店】〒901-2121 沖縄県浦添市内間3丁目3番21号コルサジュール201 |
設立 | 昭和56年5月1日 |
事業内容 | 建築全般の企画・設計・監理・土木設計・開発企画設計・環境保全文化事業 |
資本金 | 2,500万円 |
従業員数 | 29名 |
役員名 | 代表取締役 CTO 佐藤 健太郎 代表取締役 CFO 今坂 賢典 |