【令和4年度】DX公募型実証事業

ウェアラブルセンシング、電子カルテなどの連携による健康データの可視化プロジェクト

取組概要

1.目  的 
 健康寿命の延伸に有効な「健康状態の見える化」へのデジタル技術の活用
 【参加企業】PSP株式会社(IT企業)、荒尾市(自治体)、新生翠病院(医療機関)
 
2.内  容
 ●スマートフォンでの健康管理アプリの構築
 ●医療データ(翠病院)と健康データ(本人)を健康管理アプリ上で本人・家族へ共有
 ●県内で初めてマイナポータルと連携し、他の医療機関との情報連携も実現
  
3.技術要素
 スマートフォンでの健康管理アプリの構築
  ・スマートフォン/タブレット上で動作するアプリケーションの構築
  ・医療データ(電子カルテ)と健康データ(ウェアラブルデバイス)をスマートフォンアプリ上で参照
  ・マイナポータルを介した各医療機関での受診データの参照

4.効  果
 ①本人がスマホで健康状態を常時確認出来ることによる健康意識の変容
  (利用者からは、シンプルな操作で使いやすいとの意見を多数得ている)
 ②家族が本人の健康状態を常時確認できることによる家族からの見守りの実現
 ③医療機関から患者への簡便な連絡手段の確保
 
5.今後の展望(参加企業代表:PSP株式会社)
 荒尾市以外の医療機関でもご活用頂けるよう、取組んでいきたい。
 医療機関だけでなく、介護施設などの情報連携にも取組んでいきたい。
 
6.コンソーシアムでの横展開の可能性
 ①本人による医療・健康データの連携を通じた健康状態の可視化の取組み
 ②行政や民間による医療データや健康データなどの組合せを通じた健康レコメンドサービスの創出

取組の経緯、抱えていた課題について

全国の傾向と同様に、荒尾市でも今後さらなる人口減少・少子高齢化が進むことが予想されます。減少していく生産年齢人口を補うために、また、住み慣れた荒尾で人生の最期まで尊厳をもって自分らしい生活を送るためには、住民の健康意識を高め、健康寿命の延伸に努めることが大事です。また、荒尾市は独居高齢者の世帯数も多く、何かあったときに頼れる繋がりやコミュニティを持てるようにすることも必要になってきます。
さらに、荒尾市の国民健康保険の医療費と後期高齢者医療制度の医療費は、ともに全国平均、熊本県、類似団体平均よりも大きく上回っており、医療費の適正化や生活習慣病の改善、症状が悪化する前の受診促進などを図っていく必要があります。

プロジェクト取組内容

NOBORIアプリを通じて、提携医療機関から提供された画像や検査結果、お薬などの医療情報をスマートフォンでいつでも見ることを実現します。また、家族とも医療情報を共有することが可能であり、健康状態の見える化を通じて自身の健康に関する意識、行動の変化に繋げる取組みです。

 【実施方法】

現在の状況について

2022年11月9日からサービス本格稼働開始後、2023年1月10日時点で登録者数76例です。
患者さんからのお声として、当初はアプリ操作に抵抗感を持たれる方が一定数いたが、使ってみると非常にシンプルな操作であり、自身の医療情報が見られることに非常に満足であるとのコメントを多く頂いております。
また、NHK熊本放送、熊本朝日放送で同取組を放映後、視聴者から使用希望の反響も頂いております。

今後の展望について:事業者からのコメント

同サービスを荒尾市及び熊本県内の医療機関でご活用頂き、医療のジブンゴト化の輪を広げていきます。また、くまもとメディカルネットワーク(地域医療連携システム)を活用した病病・病診連携、介護施設や在宅医療との連携を模索し、暮らしの利便性及び暮らしの安心感が高い快適未来都市実現に繋げていきます。

実施主体

【PSP株式会社】
「医療情報をみんなの手に、そして未来へ」 IT 技術によって、胸部X 線、CT 画像など大容量の医療情報データを、複数のデータセンターで管理するサービスや、日本初のマイナポータルとの連携を可能としたPHR・医療情報共有アプリの技術を用いてスマートヘルスケアを実現します。

【荒尾市】
「ウェルビーイング × スマートシティ」 ウェルネス拠点の健康志向のまちづくりとスマートシティの先進的技術を融合し「幸せ」志向のまちづくりの全市域的な展開をめざし、令和2年10月に「荒尾ウェルビーイングスマートシティ実行計画」策定。ヘルスケアデータの蓄積・分析・利活用を可能とする仕組みを構築し、より市民が幸せを感じれる快適未来都市を目指します。

【新生翠病院】
「地域に愛され 信頼される病院へ」 昭和31年緑ヶ丘療養所として開院、その後平成29年に新生翠病院へ名称変更後、地域に愛される病院づくりを目指し、多職種が共同し患者さんの自立支援サポートしています。 また様々な予防医療を行っており、今回のプロジェクトではIT技術を活用したスマートヘルスケアの実証の場を提供します。

令和5年度の募集について

熊本県ではこのようなDXの先進的な実証事業を令和5年度も募集いたします。
詳しくは下記リンクを参照ください。