RITAグループホールディングス株式会社

トップダウンによるコミュニケーション革命を軸としたDXの取り組み

取組概要

経営者のトップダウンにより、DXを推進した事例。
DXの定義、DXが成功した際の未来のイメージを経営者が明文化。
「オンライン上で全ての業務が完結する状態」を実現するために、徹底したコミュニケーション革命を実施しました。
並行して、EC事業の売り上げ拡大のための攻めのDX、クラウドサービスを活用しバックオフィス系業務のオンライン化を行う守りのDXなどの取り組みを行いました。

取組の経緯、抱えていた課題について

人口減少時代を迎え、従業員の生産性向上は急務の経営課題と認識し、経営者である倉崎社長自らDXの推進を決断しました。
従来は仕事は紙ベース、複写式の契約書の控えを社内郵送したり、残業申請をFAXで行ったりという状況でした。
当初は明確な方針もなく、たくさんのITツールを導入しましたが失敗が続き、倉崎社長自らがDXを理解し、DXの旗振り役をすることを決意しました。
DXの理解を深める中で、会社としてDXをどう定義するかということの必要性を感じ、「オンライン上で全ての仕事が完結」と定義づけしました。

また、合わせて成功した後のイメージを下記のように明文化しました。
 ・社員が「緊急ではないが重要な活動」に集中できている
 ・社員が「付加価値を生み出すこと」に時間を使えている
 ・「従業員一人当たりの生産性の向上」が実現できている
定義を決めて未来のイメージを明文化し、DX推進を再スタートさせました。

どのような取組を行ったか、どのような効果が得られたか

1)コミュニケーション革命
倉崎社長は、「オンライン上で全ての業務が完結する状態」にするため、紙やFAX、電話連絡を使ったコミュニケーションを無くしていく、そのためには、コミュニケーションのあり方から変えていかなければいけないと考えました。
旧来の同期型コミュニケーション(電話やミーティングなど当事者間で時間を合わせる必要のあるコミュニケーション)を減らし、非同期型コミュニケーション(メール、LINE、チャットなど当事者間の時間制約がないコミュニケーション)に転換していくということを方針とし、「Google Workspace」をプラットフォームとして非同期型コミュニケーションを展開していくことを決定しました。
 
具体的には、オープンコミュニケーションが可能なチャットを活用し、チャットの中で会議や意思決定まで行うこと、資料作成時はワークスペース上に公開して、関係者が資料を並列に作成、編集を行い、非同期で仕事を進めるなどの取り組みを行いました。また、ナレッジやマニュアルはドキュメントとして社内ポータルサイト上で共有し、社員全員が参照できる環境作りに努めました。
また、紙を前提とした業務設計の禁止、FAXの廃止、緊急時以外の電話連絡の禁止、代表電話への着信の取次禁止(折り返しでの対応)、ハンコ業務の廃止等の方針を策定し、コミュニケーション革命を徹底しました。

2)攻めのDX
グループ会社である利他フーズはデジタルマーケティングだけで業績を伸ばしてきました。
2022年4月期は、18人の従業員で17.8億円の売り上げを達成しました。
利他フーズは馬刺しを中心とした食品やペットフードのインターネット販売を行っている会社ですが、商品開発からマーケティング、クリエイティブ、広告運用、コールセンター(お客様対応)まで一気通貫の組織体制を行っています。
食品の販売については、一つのサイトでBtoBとBtoCの販売を行っていたため、お客様に最適なサービス、商品を提供することができないことに気づき、BtoB専用のサイトを立ち上げました。BtoBのお客様向けに掛け払い決済などBtoCにはないサービスを訴求し、新規飲食店顧客の開発を行い、売り上げの拡大を図りました。

3)守りのDX
購買・発注、人事・給与、経理・決算等バックオフィス系業務は全てクラウドサービス(Saas)を利用して、紙を使用することを排除し、オンラインで業務を実施しています。
SaaS系のサービスはどんどん進化していくので、価格だけでなく将来リプレースできることを前提にサービスの導入を検討しており、データの移行ができないようなサービスは導入しない方針を取っています。

4)DXの副産物
DXを「オンライン上で仕事が完結」する状態と定義したことにより、県外の在宅ワーカー、特に優秀な主婦層を在宅ワーカーとして雇い入れることができるようになり、大きな戦力となっています。

今後の展望について

倉崎社長は、今後も熊本県では圧倒的にDXが進んだ会社であり続けるとともに、自社の持つインターネット販売や集客するという強みを生かして、熊本の営業DXを進めたい企業様の支援をしたいと考えています。

会社概要

所在地 熊本市中央区坪井2-1-42 SDK熊本ビル5階
資本金 2億5250万円(資本準備金含む)
従業員数 従業員数(グループ全体) 56名
設立 2007年
代表者 代表取締役社長 倉崎好太郎
グループ会社 株式会社利他フーズ 
 事業内容:食品、ペットフードの通信販売事業  
株式会社RITA-STYLE 
 事業内容:スポーツジム運営
株式会社RITAマーケティングパートナーズ 
 事業内容:EC運営サービス

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