宮崎中央農業協同組合

DXによる農業分野の業務の効率化について

取組概要

宮崎中央農業協同組合様(以下、JA宮崎中央様)は、冬場に農業を営む上で非常に重要な各農場に設置している燃料の残量測定、燃料補充に大きな稼働を有していたため、実証実験を行い、システムの動作、業務の効果の確認や農家の方からの要望を踏まえて、本格的にシステムの導入を行い当該業務の効率化を実現しました。

取り組みの経緯、抱えていた課題について

JA宮崎中央様では、各農場に設置しているボイラーの燃料(重油)は人手を介し残量測定を日々実施し、不足時には都度補充してきました。冬場の燃料補充は作物成長にとっては非常に重要で、その業務を怠ると各農家が経営不振に陥ります。一方で県土の約75%を山地が占め面積も広く(九州2位)、燃料を補充する作業員の高年齢化も重なっています。JA宮崎中央様では燃料残量測定及び燃料補充業務の効率化が重要な経営課題となっていました。

どのような取り組みを行ったか、どのような効果が得られたか

JA宮崎中央様では燃料残量測定及び燃料補充業務の効率化を行うため、2018年12月からの実証実験を行いました。実証実験において、燃料残量の計測精度や燃料補充のルート案内が正しく行われるか、業務の効率化が図れるかなどの検証を行うとともに、実証に参加して頂いた農家の方からのご要望等も反映し、システムの開発を行い、2020年11月から本格的に導入しました。
システムは、重油タンクへIoTセンサーを取り付け、遠隔測定を可能にし、その残量をWeb上で閲覧することができます。残量が規定値以下になったタイミングや、燃料が補充されたタイミングで即座にSNS等で利用者に通知される仕組みが特徴です。また、点在する圃場をデータベース化し、補充ルートの最適化を可能とする仕組みも有しています。
当初は約100タンクに導入して、段階を踏み現在は約3,200タンクに導入し効率化を図ることができました。

今後の展開

JA宮崎中央様では、農家の重油消費傾向と外気温、生育状況との関係等のデータ蓄積を行うなど、農業の「見える化」を行うことで、AIを用いたデータ分析が可能となり、これまでの経験や知見に頼りがちだった生産の現場を変え農業の経営改善を行うことができるのではないかと考えています。

組合概要

本店所在地 宮崎市丸島町
職員数 699名 (令和4年7月末)
設立 平成9年2月1日
代表者 代表理事組合長 栗原俊朗

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